脳内マウント

「脳内マウントって誰と戦ってるの?」といわれるがそれは私にもわからない。

得体のしれない誰かにマウントをとりながら今日もイケる!最高!と思っている。

 

女は武装するためにメイクする、だったかそんな言葉を目にしたことがあるがそんなところである。一番近いのは小さい子がライダーベルトにメダルをはめるときだろうか。別になくても戦えるけど、あったほうが気持ち的に強くなれる、実際に強くなる、みたいな。

 

ネイルをする、化粧をする、着飾る、といった行為は自分のためにしかしたことがない。人のためであっても直接的にはならず、「こういう自分であの人に会いたいから」「こういう自分でこの街を歩きたいから」といった理由にしかならない。それゆえに、デートだろうが授業だろうが、気合を入れたいときは全力でおしゃれするし、頑張らなくていい時は適当な、着心地のいい服を着ている。結局「これなら今日イケる!」となれば何でもいいのである。

なんなら駅から自宅までの道のりでも脳内マウントは取ることができる。我が家は田舎にあるので、駅ちかの我が家に帰るときでも駅を離れれば誰とも接触せずに帰宅することが可能である。そのうえ道のりの半分はただの駐車場脇なので真夜中だろうがカラオケし放題である。深夜に疲れ切った体で綺麗な星空を眺めながらふんふん歌っているときが最高だし、嫌なことがあってもカラオケをしてご機嫌になって快眠している。なんならノリノリになってくるくる回りながら歌っていたりする。でかいリュックしょってるのに。カラオケというほど大声で歌えるわけでもないから口ずさむ程度だけど、人家に近づくとやりませんよ。さすがに。知り合いにばれたらいろんな人にびっくりされそう。

 

 

マウントというと全くいい響きには聞こえないが、脳内マウントは推奨したい。誰を傷つけるでもけなすでもなく、謎の優越感を手に入れることができる。そのうえ場所も時間も選ばない。唯一の欠点は不審がられることくらいであろうか。